
アイキャッチはどのような手順で考えるのか? Vol.6 [ラダリング手法]事例
今回は、[ラダリング手法]のプロセスを経て、
メッセージ開発、キャッチコピーを作り上げ、
高い反応を得ることができた事例を見ていこう。
([ラダリング手法]の図については前回コラム参照)。
まず商品の事例として、調味料(おだし)の広告を紹介する。
この商品は、[ニーズ・ウォンツ手法]で紹介した
「おだし」と同じ会社のものである。
今回紹介する事例は無添加ではないが、
40年以上前から販売している
ティーバッグの「おだし」だ。
まず一番下の属性、機能性から見ていこう。
「産地・鮮度吟味の魚介類と海藻類を使用した
厳選だしです。 ティーバッグ方式で簡単、 しかもリーズナブル。」
次に、「この機能性がもたらすベネフィット(便益)とは何か?」。
それは、「料亭の味、プロの味なので、 味には自身があります」。
さらに、この便益から消費者が感じるバリュー(価値)、
いわゆる「満足感とは何か?」を考えた結果が、
「 ○○の「おだし」にしたら
おかわりが増えました。」ということになる。
次に、サービスでの事例、
美容室のパーソナルコーディネートを紹介する。
まず一番下の属性、機能性は、
「『ナチュラル』、『キュート』、 『クール』、『エレガント』の
タイプのパーソナル診断を提供しています」。
次に、「この機能性がもたらすベネフィット(便益)とは何か?」。
それは、「夏の紫外線で髪が痛んでいる時だからこそ、
秋に向けてスタイル&カラーを変え、
イメージアップにチャレンジしてみませんか?
あなたのタイプに合わせて4つのカラーイメージを準備しています」。
さらに、この便益から消費者が感じるバリュー(価値)、
いわゆる「満足感とは何か?」を考えた結果が、
「第一印象をもっと『キレイ』に」ということになる。
このような商品、サービスの2つの事例のように、
ターゲットの感情を喚起する可能性の高いキャッチコピーには、
この3段階のなかでは、やはり一番上のバリュー(価値)となる。
なぜなら、これらのステージのなかで、
最も顧客視点、消費者視点に立っているからである。
だが、もう1つ押さえておきたいことがある。
それは、商品・サービスによっては、
属性、機能性をキャッチコピーに持ってきても
反応を高められるケースがあるということ。
例えば、化粧品やサプリメントがこれにあたる。
コラーゲンやコエンザイムQ10などのように、
その時々のトレンドや流行となってる物質などは、
これらが「どれくらい入っている」というような
メッセージによって広告の反応を上げることもできる。
だが、このようなキャッチコピーを選択した広告は、
最初の反応が良くても、競合商品などが出てきてしまうと
あっという間に反応が落ちるケースが少なくない。
時期やタイミングによって反応が左右されるので、注意が必要だ。
最後に、真ん中のベネフィット。
このステージをキャッチコピーにしてしまうケースは避けたい。
先ほどの2つの事例を見ても分かる。
おだしの場合は「料亭の味、プロの味」。
美容室の場合では「イメージアップにチャレンジしてみませんか?」、
「あなたのタイプに合わせた4つのカラーイメージを準備」になる。
いかがだろうか?
このようなベネフィットのステージから作った
キャッチコピーをよく見かけないだろうか?
今から30年、いや40~50年前の
物が不足していた時代の広告ならまだしも、
少なくとも今の時代では、このようなベネフィットを前面に出した
巷にあるキャッチコピーの広告では、ターゲットの感情を喚起するのは難しい。
なぜなら普通すぎるし、
顧客視点ではなく企業側の目線で作られているからだ。
だが、世の中の広告をよくよく見てみると、
このパターンのキャッチコピーが多いのも現実。
それなら[ラダリング手法]をしっかりと押さえ活用すれば、
我々にもチャンスが十分にあると言えよう。
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