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販促でいちばん大切なこと

アイキャッチはどのような手順で考えるのか? Vol.6 [ラダリング手法]事例

今回は、[ラダリング手法]のプロセスを経て、
メッセージ開発、キャッチコピーを作り上げ、
高い反応を得ることができた事例を見ていこう。
([ラダリング手法]の図については前回コラム参照)。

まず商品の事例として、調味料(おだし)の広告を紹介する。

この商品は、[ニーズ・ウォンツ手法]で紹介した
「おだし」と同じ会社のものである。
今回紹介する事例は無添加ではないが、
40年以上前から販売している
ティーバッグの「おだし」だ。

まず一番下の属性、機能性から見ていこう。

 「産地・鮮度吟味の魚介類と海藻類を使用した
厳選だしです。 ティーバッグ方式で簡単、 しかもリーズナブル。」

 次に、「この機能性がもたらすベネフィット(便益)とは何か?」。

それは、「料亭の味、プロの味なので、 味には自身があります」。

さらに、この便益から消費者が感じるバリュー(価値)、
いわゆる「満足感とは何か?」を考えた結果が、
○○の「おだし」にしたら
おかわりが増えました。
」ということになる。


次に、サービスでの事例、
美容室のパーソナルコーディネートを紹介する。

  P077.03.jpg  

まず一番下の属性、機能性は、
「『ナチュラル』、『キュート』、 『クール』、『エレガント』の
タイプのパーソナル診断を提供しています
」。

次に、「この機能性がもたらすベネフィット(便益)とは何か?」。

それは、「夏の紫外線で髪が痛んでいる時だからこそ、
秋に向けてスタイル&カラーを変え、
イメージアップにチャレンジしてみませんか? 
あなたのタイプに合わせて4つのカラーイメージを準備しています
」。 

さらに、この便益から消費者が感じるバリュー(価値)、
いわゆる「満足感とは何か?」を考えた結果が、
第一印象をもっと『キレイ』に」ということになる。

このような商品、サービスの2つの事例のように、
ターゲットの感情を喚起する可能性の高いキャッチコピーには、
この3段階のなかでは、やはり一番上のバリュー(価値)となる。

なぜなら、これらのステージのなかで、
最も顧客視点、消費者視点に立っているからである。

だが、もう1つ押さえておきたいことがある。

それは、商品・サービスによっては、
属性、機能性をキャッチコピーに持ってきても
反応を高められるケースがあるということ。

例えば、化粧品やサプリメントがこれにあたる。

コラーゲンやコエンザイムQ10などのように、
その時々のトレンドや流行となってる物質などは、
これらが「どれくらい入っている」というような
メッセージによって広告の反応を上げることもできる。

だが、このようなキャッチコピーを選択した広告は、
最初の反応が良くても、競合商品などが出てきてしまうと
あっという間に反応が落ちるケースが少なくない。

時期やタイミングによって反応が左右されるので、注意が必要だ。

最後に、真ん中のベネフィット。
このステージをキャッチコピーにしてしまうケースは避けたい。
先ほどの2つの事例を見ても分かる。
おだしの場合は「料亭の味、プロの味」。
美容室の場合では「イメージアップにチャレンジしてみませんか?」、
「あなたのタイプに合わせた4つのカラーイメージを準備」になる。

いかがだろうか?
このようなベネフィットのステージから作った
キャッチコピーをよく見かけないだろうか?

今から30年、いや40~50年前の
物が不足していた時代の広告ならまだしも、
少なくとも今の時代では、このようなベネフィットを前面に出した
巷にあるキャッチコピーの広告では、ターゲットの感情を喚起するのは難しい。

なぜなら普通すぎるし、
顧客視点ではなく企業側の目線で作られているからだ。

だが、世の中の広告をよくよく見てみると、
このパターンのキャッチコピーが多いのも現実。

それなら[ラダリング手法]をしっかりと押さえ活用すれば、
我々にもチャンスが十分にあると言えよう。
 


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