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販促でいちばん大切なこと

押さえておくべきチラシ広告の「型」と「構成要素」 Vol.3 [SEDブリーフ]を基に新たなチラシ広告作り

今回は、[SEDブリーフ]を基に新たな販促展開を図った具体例を紹介しよう。

以前のコラムでも、取りあげさせていただいた東京丸三販売の事例である。
東京丸三販売は、おだしの人気商品「純だし」「ふりだし」の専売会社(製造は丸三食品)で、
約40年もの長い間、調味料を中心に販売している。
同社は、もともと自然素材に近い材料を使った商品の販売をしてきたが、新商品として、
"完全無添加"のだしの販売をスタートさせた。

「純粋だし」という商品名でテスト販売を行なったが、高額商品のため、なかなか売上げを伸ばすことができず、
突破口を見出せないでいた。
それもそのはず、初めにターゲットを単に富裕層という漠然としたところに設定したため、
既存客も含めて、ターゲットへの動機付けが弱かったからだ。

そこで、「乳幼児に食べてほしい商品」というように、ターゲットを乳幼児向けに変更した。
なかでも食育を強く意識している、0~6歳の子供を持つ母親たちにターゲットを絞り、
ネーミングとパッケージ自体を変更した。

変更後に打ったチラシ広告が資料③で、この広告のために準備した要件書[SEDブリーフ]が資料④である。
 

ここまで押さえておくべきチラシの「型」である準備物の1つ、要件書[SEDブリーフ]の説明をしてきた。

次回からは、もう1つの準備物である「構成要素」についてふれたいと思う。

 

資料③ 「東京丸三販売」のチラシ

 

【表面】

 10-3-2.jpg

 

 【裏面】

 10-3-3.jpg

 

 

 資料④ [SEDブリーフ]記載例

 1.広告の目的、目標
 目的=新商品「すくすくあんしんだし」を試してもらう
 目標=商品同梱チラシにて100名の新規客を獲得する

 2.特徴の再認識「内なる驚異」
 ・40数年前に日本で最初にティーバッグの「だし」を作った会社である
 ・原材料、製造時の水、ティーバッグの素材までこだわり、厳選している
 ・お客様の声に耳を傾け、本当に必要で安心なものだけを提供している

 3.競合状態と優位性
 ○競合状態
 ・無添加のだしパックは、大手食品会社、かつおぶし屋などから多く出ていて、
  原料のこだわり(有名産地)をうたっている
 ・大人向けで高級料理店の味などの旨みを追求した商品が多い
 ○優位性
 ・40数年前に日本で最初にティーバッグの「だし」を作った会社が新しく開発した、
  無添加だしパックである
 ・他社は安全・安心を打ち出しているが、安全基準範囲の中での無添加である
 ・既存客に母の代から娘へという長期の愛用者が多い
 ・乳幼児にターゲットを絞った「だし」商品はほとんどない

 4.ターゲット
 ・乳幼児や小さな子供を持つ親(特に母親)と家族
 ・食育に関心のある親や近親者(特におばあちゃん)
 ・アレルギー持ちの方や、その子供を持つ親や近親者(特におばあちゃん)

 5.インサイト
 ・子供に化学調味料が含まれたものを食べさせたくない
 ・正しい味覚の子供に育ってほしい
 ・調理時間は短い方が良い
 ・アレルギー体質の人が安心して食べられる食材が欲しい

 6.ターゲットの反応
 ・これならば安心して子供に食べさせられるので使ってみよう
 ・味覚障害を心配していたので早速、使ってみたい
 ・ティーバッグだから便利で簡単そう。買ってみようかな
 ・この会社って消費者の声を真剣に聞いてくれるのね。信頼できるかも

 7.最も大切な提案
 ・「すくすくあんしんだし」は、お客様の声から生まれた、安心・安全を追求した、
  こだわりぬいて開発された商品なので、正しい味覚が必要である乳幼児にも安心して
  食べてもらえる

 8.信頼性とその根拠
 ・原材料、製造時の水、ティーバッグの素材まで他社には真似できないほど
  こだわりぬいている
 ・数々の書籍や雑誌でこだわりの商品として取り上げられている
 ・愛用者から太鼓判をいただいている

 9.効果的なオファー
 ・低価格のお試しパック
 

 

※1  セールスエンジニアリングデザイン(SED)は、株式会社イズ・アソシエイツの登録商標。(登録第4948145号)

 


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