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販促でいちばん大切なこと

自然に顧客が増える、磁力のある仕組みづくりvol.4 磁力を生み出す、裏舞台

今回は、「モクモク手づくりファーム」の徹底したブランド管理と、環境保全に配慮する取り組みについて紹介し、今テーマを締め括りたいと思う。

販促手法から広報戦略、ブランド管理に至るまで、一貫したビジョンで運営していることがよく分かるだろう。

 

■徹底したブランド管理で、メッセージ性を高める

「モクモク手づくりファーム」の事業としては、農場経営やレストラン事業、通販事業等、多岐にわたり、取り扱っている商品も数多くある。
どんな場所であれ、お客様が「モクモク手づくりファーム」に関連したものに接したとき、統一したイメージを感じてもらうことが大切。

そこで、ここではブランド推進部が設置され、お客様の目に触れるものすべてのブランド管理をしている。
例えばロゴ。
企業ブランドや事業ブランド、製品ブランド等でロゴが作成されているが、「モクモク」というロゴは統一している。
しかも、それぞれの特徴に応じたカラーやイラストを使用しながら、格好良くて、だけど気軽に体験できる、多少土臭い感じもする、そんな「モクモク」を表現するために、すべてのロゴにハイセンスすぎないイメージを統一しているのだ。

 

そうした取り組みを象徴するエピソードとして、ある施設のトイレが壊れたとき、
「ごめんなさい。ただいま修理中です。となりをご使用ください」
と、「モクモク手づくりファーム」のトーンとイメージに合わせたイラスト入りの貼り紙を貼るのだという。
もちろんこうした貼り紙についても、すべてブランド推進部を通すことになっている。
ここでは、こうした貼り紙もブランド要素の一つとして扱っているのだ。

ありとあらゆるものが、ブランドの管理対象となっている。
そこまで徹底しているからこそ、「モクモク」としてのメッセージ性も高まっていくわけである。
 

■多面的に、環境保全を表現する

農業を事業としている「モクモク手づくりファーム」にとって、自然保全は重要な方針の一つだ。
ただこれを方針として挙げているだけなら、なかなか伝わらないだろう。
そこで、あらゆる場面で自然保全の実践をしている。

例えば、タンブラーというエコボトル。
「モクモク手づくりファーム」の中には使い捨て容器がなく、お客様はタンブラーを購入してからジュースを購入する。
常連客の多くは、再度訪れるとき、このタンブラーを持参するそうだ。
また風の力でミキサーを回すジュースのお店があったり、宿泊施設の電気の一部に風力発電を使用するなど、楽しみながら環境保全を考えるきっかけづくりをしている。

さらに、ギフト用のボックスにも工夫を。
普通はハム等が傷まないように詰め物をたくさん入れるが、それでは資源の無駄遣いにつながるため、詰め物がいらない見た目は粗野な環境ボックスを開発。
ただ、それを強制的に選ばせるのではなく、通常のボックスも用意し選択できるようにしている。
しかも贈られた方に失礼のないように、環境ボックスには「モクモク手づくりファーム」の考え方が書いてある。
そうした細かい配慮もあり、多くのお客様が環境ボックスを選ばれるそうだ。

 ブランド家系図2-5.jpg

 

さまざまな「モクモク手づくりファーム」の取り組みを見てきたが、目に見える販売促進手法から、広報担当者の配慮、ブランド管理の裏舞台まで、トータルにビジョンとつながっていることが感じられる。
このようなことが強い磁力となって、集客力もますます強くなっていくことがわかる実に良い事例と言えよう。

いかがだっただろうか。
すぐに応用できることから、じっくりと熟成しながら実行していくことまで、細かく紹介してきた。

とはいえ百聞は一見にしかずである。
「モクモク手づくりファーム」では、随時視察を受け付けているので、ぜひみなさんも足を運んでみてはいかがだろうか。

 

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