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販促でいちばん大切なこと

ブランディング=「変えない」VS「飽きる」 Vol.2 ブランドの役割

今回は、ブランドの役割について述べよう。

ブランドの役割を、誤解を恐れずにひと言でお伝えするならば、

「ブランドの役割とは、購買の意志決定に必要な補完情報のことである」

ということだ。
 
これだけだと分かりづらいかと思うので、図1をご覧いただきたい。

消費者があなたのお店に初めて行く場合、あなたのお店のことは一部もしくは、全く知らない。
となると、あなたのお店に行くためには、行動を起こす意志決定のための情報が必要となる。
すなわち、顧客になる可能性がある人は、「行こう」という意志決定ができるまで、
あなたのお店の情報を集めるわけだ。

美容室の場合で言うと、少しでも見込みのある消費者がチラシなどを見たとして
「自分に合うヘアスタイルに、このお店はしてくれるのかしら?」
「スタッフの対応はどうなのかしら?」
「素敵なお店だったらいいのに...。」
と考え、さらに情報を調べるためにホームページを見たり、店の前を通り過ぎるふりをして確認してから
「行こう」という意志決定に至るかもしれない。
もしくは、友人や知人に紹介されないと行かないかもしれない。

いずれにしても「このお店に行ってみよう!!」と意志決定をするのには、それができる情報を得なければ
行動に移すことはないのだ。

一方で、シャンプーや飲料などの日用品や低価格商品の場合、よほどこだわりのある人でなければ、
ほとんどの消費者は、商品カテゴリー内の商品の種類が多いことにより購買の意志決定のための選択肢が
複雑となる。
そのため、いちいちその情報を得るのが面倒に感じるようだ。
このような場合は、ブランディングによる補完情報に頼らざるを得ない。
大手メーカーなどは、この情報を補完するために大量にCMなどを投入し、消費者にとってどれが
望む商品であるか、意志決定をしやすくしているのだ。

しかし、美容室や飲食店のように、一度入ったらよほどのことがない限り、サービスを受け終わるまで
滞在せざるを得ないような業種の場合、慎重に情報を調べる可能性がとても高くなり、
消費者にとってみたら、情報量が多ければ多いほど良いということになる。
とはいえ、どんなに調べても結局はそのお店に入らなければ分からないのも事実なので、
単に情報の量だけでは片付けられないのももどかしいところである。

このようなケースの場合、意志決定をするための情報の補完としてのブランディングの役割が、
技術やサービスの質、そして価格などの機能面はもとより、情緒面でもスタッフの対応や
お店の雰囲気などの比較的言語化しやすい情報を提供する必要がある。
「何となく楽しそう」「何か私のことを分かってくれそう」など、嗜好性、体感性、自己同一性、
ストーリー性、ステータス性などが影響することも十分にありえるわけだ。
もちろん、一度でも来店した場合は、この来店に至る意志決定のための情報がほぼ埋まるので、
あとは商品やサービス、対応などの質に依存度が高まっていくことになる。

では、このような情報の補完はいったいどのようにしていくと良いのだろうか?

これはとても難しい問い。

そもそもこの問いの答えを見つけるために、あらゆる企業の経営陣、マーケッター、
そしてブランド・マネージャーが日々試行錯誤している。
だが、次回述べるブランディングのステップが、この問いの答えを見つけるうえで、
小さなヒントになるかもしれない。
次回もお楽しみに。

参考文献:「実践ロジカル・ブランディング」 菊池 隆 著 (日本評論社)

 

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