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販促でいちばん大切なこと

ブランディング=「変えない」VS「飽きる」 Vol.5 ブランド・ステートメント

ブランドの一貫性を保つということは、これまで何度も触れてきたようにとても大事な作業であるにも関わらず、
大変難しいことなのである。
そのため経営陣の一部やマーケティング担当者の頭の中だけにあり、他の人がほとんど知らない。
全く知らないというケースもよくあるほどだ。
顧客に伝えるには、まず社内や事業に携わるスタッフとシェアする必要がある。
そのためにも、ブランドの一貫性を保つための明文化したメッセージが必要となるわけだ。

そして、この明文化したメッセージの宣言文が「ブランド・ステートメント」である。
大企業では、「ブランド・ステートメント」を商品やサービスごとに、作成しているようだ。

ここでいくつか例を挙げてみよう。

ちょっと懐かしい商品だが、「マウンテンデュー」という清涼飲料水がある。
この商品の発売当初のブランド・ステートメントとは次の通りだ。

 

「睡眠時間がほとんどない若くて活動的なソフトドリンクの飲用者にとって、
マウンテンデューは最高水準のカフェインを含有しているので、
他ブランド以上に、よりエネルギーを提供することができるソフトドリンクである。」

ここで大切な要素が4つある。

① 私(製品名、サービス名、企業名)は何なのか?
(顧客にとって容易に理解できるカテゴリーは何なのか?)

② 私は誰にとってふさわしいものなのか?
(ターゲットは誰なのか?)

③ 顧客にとって私のベネフィットは何か?

④ なぜ、そのベネフィットが主張できるのか?

この上記4つが隈なく入っていることが大事なことなのだ。

この「マウンテンデュー」の例で、この4つの要素をそれぞれ見ていきたいと思う。

① マウンテンデューはソフトドリンクである。

② 睡眠時間がほとんどない若くて活動的なソフトドリンクの飲用者である。

③ 他ブランド以上に、よりエネルギーを提供することができる。

④ 最高水準のカフェインを含有している。

非常に完結に、またしっかりとしたブランド戦略が感じられるブランド・ステートメントである。
とはいえ、これは大企業の例だ。
読者のみなさんは、「うちくらいの規模には必要ない」とまだ思うかもしれない。
だが、すでに存在するあなたの会社も商品もブランドなのである。
と考えると、中小企業や店舗、そして個人でも作成する必要があるのではないだろうか?


ここで美容室A店の例で、「ブランド・ステートメント」の大切な4つの要素をそれぞれ見ていこう。

①長野県では他に例をみない、革新的サロン(美容室)である。

②ポスト団塊世代のおしゃれに敏感で向上心旺盛な女性。
 「自分らしい美しさ」「仕事もプライベートも成功すること」を求める人。

③「自分らしい美しさ」の提案による、パーソナルブランディング。
 仕事もプライベートも成功するためのお手伝いをしてもらえる。

④パーソナルブランディングという視点からの提案。傾聴スキルを身につけたスタッフ。
 他業種との提携による統合的情報提供。

これらの4つの要素をまとめて、宣言文にすると次のとおりとなる。

[美容室A店のブランド・ステートメント]
「自分らしい美しさ」や「よりワクワクできる生活」を求める女性にとって必要なのは、
単なる流行や一般論ではなく「自分らしさ」をより引き立てる提案である。
A店は、技術・接客の高度な知識・経験を積んだスタッフが、パーソナルブランディングという視点から、
お客様の生活シーンに合わせた提案をし、自分らしくワクワクできる生活のお手伝いする、
長野県ではじめてのパーソナルイメージコンサルティングサロンである。

このように、このブランド・ステートメントの4つの要素は完結で、とてもよくできている。
そして、これを軸として、顧客へメッセージを発信しているのだ。

これで、中小規模、店舗ビジネスにおいてもブランド・ステートメントが必要、
かつ活用できることがお分かりになったと思う。
ぜひ、あなたの会社の商品、または店舗自体でも作成してみてはいかがだろうか?

 


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